個展会場の片隅に、魅力ある小品オブジェを見つけるとつい求めてしまう。
この頃、実用的な器が並べられた個展会場に、同じ作者による器とは違った趣の作品が控えめに並べられているのを見ていて、ふと心惹かれることがある。また、いわゆるオブジェと呼ばれる、陶の立体造形の制作に取り組んでいる作家の個展でも、会場の傍らに、手頃なサイズの、求めやすい価格帯の作品が展示されていることが多くなったようだ。
そういう展覧会で、かわいらしい家型をした作品をたまたま見つけ、早速、家のリビングにある書棚の、ちょっとしたスペースに置いて眺めていた。すると、これに気づいた家族からの評判は思いの外よく、時々やって来る訪問客などは関心の示し方に差があるものの、かならずといっていいほど指先で触れたり摘んだりして、なにかを確かめるように見ているのがとても面白い。どうもこの陶の小品からは、ほんのわずかかも知れないけれど、見る人の気持ちを爽やかにするような風が吹いて来るのでは、なんて思っている。(Z)



この辺りがいつもの展示位置だ。時々、作品が移動したり入れ替わったりするのは、誰かがこっそりと触るからだろう。五月女寛●左よりH2.6㎝、H3.0㎝、H2.8㎝
