展覧会への招待

Exhibition previews & reviews

岡部 嶺男 のプレビュー&レビュー一覧

2007年春、東京(東京国立近代美術館工芸館)からはじまったこの巡回展は、本会場でいよいよ締めくくられる。これまで岡部嶺男の全貌を知る展覧会はほとんど開かれてこなかったが、本展には代表作など選りすぐられた秀作170点ほどが出品されており、初の本格的な回顧展となった。40歳を過ぎてから、とくに青瓷の制作に没頭し、優れた作を多く残したことから、この分野での評価はすこぶる高い。しかし織部、志野、灰釉などの大胆で、かつ緩みのない造形性にも圧倒的な迫力がありこれらも見逃せない。岡部陶芸を知る絶好の展観だ。                                                                  左「窯変米色瓷博山炉」H19.8 W17.4㎝ 1971年 右●「織部縄文瓶」H45.8 W36.2㎝ 1964年

  • 2008年5月 9日~2008年5月20日
  • 壺愁 岡部嶺男展
  • しぶや黒田陶苑 (東京都渋谷区渋谷 TEL.03-3499-3225)
情熱を傾け、同店ではここ数年来毎年のように「岡部嶺男展」を開催している。とくに今回の展覧で出色だったのは、7点ほど展示された瓶子だろう。灰釉、飴釉、織部などの種類があり、いずれも堂々たる存在感と異様な雰囲気をまとっている。古作に倣いながらも、作者の卓越した造形力が際立ち、土や釉の広汎な知識、焼成の巧みさなどが組合わさらなければ、これらの作を作れないだろうと思わせる。それほど尋常でないものをダイレクトに感じるのは、ガラスケースを通さず、至近で鑑賞できるという条件が整っているためばかりではないだろう。丁寧な作りの図録も発行され、さながらプチ美術館の仕事のような展覧会だった。                                          左右ともに●展示会場には、ふだんあまり感じたことのないような雰囲気が漂っていた。