
0073号
2012年04月11日更新
かつてのように、絵筆を一気呵成に運ぶ絵付の仕事はこの頃ほとんど見られない。本展の出品作でもそうで、茶碗や徳利、片口などの形は確かに馴染み深い作者らしさを感じるが、しかしこれらを作るために使われている土や釉薬、穴窯焼成することによって導き出された装飾性や素材感には、既存のやきものにない未知で、独特の世界観がある。「土ものの焼き方を、やっと見つけた気がする」と作者はいう。やきものの焼成を基本から改めて見直し、そこに生じてくるものを見逃さず、次にそれを独創的な形に採り入れようとする。そうして作られたものだけが、きっと時代を超えて生き続けるであろうことを、三上亮氏は証明しようとしていると思った。