
0073号
2012年04月11日更新
会津本郷の名窯・宗像窯の8代目当主を、父・宗像亮一氏から継いで以降、初の本格的な個展となった。会津本郷焼といえば、長く地域周辺の民のために素朴な日常雑器を焼き続け、明治以降も民芸様式の器制作を仕事の核にしてきた。そんななかにあって、宗像窯では亮一氏が民芸陶器から解放された自由な創作としての器作りの先鞭をつけ、利浩氏がそれに続いている。そのことを最も象徴的に示すのが、本展にも出品されている口辺が平たく成形された鉢や皿、また井戸や天目などの茶碗への果敢な取り組みだ。丈夫さだけにこだわる器作りからやや距離を置き、さらに茶陶にも取り組もうとする。それが幸いしとくに皿や鉢類には、ゆったりした広がりの中から湧き上がるような心地よい緊張を感じ、好感が持てる。もちろん長く使っても飽きないのは、宗像窯伝来の真骨頂だといえる。