展覧会への招待

Exhibition previews & reviews

  • 2009年2月18日~2009年2月24日
  • 鈴木五郎の四都物語
  • 高島屋東京店 (東京都中央区日本橋 TEL.03-3211-4111)

 鈴木五郎氏の新作が、それぞれ違ったテーマによって制作され、東京・大阪・横浜・名古屋の4都市(各高島屋)において、しかも同時に個展発表されて話題になっている。
 チャールズ・ディケンズの小説「二都物語」は悲恋だったが、本展「四都物語」のストーリーはといえば、東京=黄瀬戸、大阪=志野、横浜=呼継、名古屋=織部の章だ。東京展と横浜展を見た限りでは、作者・鈴木五郎氏に恋ごころを抱くように作品を見つめる、比較的若い世代の熱心な観客が意外に多いようだった。いずれにせよスケールといい内容といい、余人には真似のできない好企画となった。
 かつて大壺、大皿、陶の椅子、大土瓶、何十段も積まれた重筥など、ショーとしての演出とは異なり、伝統技術を極めた果てに出来上がるそれらの作を次々に発表し、世をアッ! といわせてきた。併行して、美濃陶を中心にした茶碗や水指など茶陶も作り続けてきて定評があり、ファンも多い。
 今回はとくに、茶碗を中心にした発表だった。各作はそれぞれが奥深く匂い立つように熟成しているが、所々には作者独特のユーモアや遊びが付加されており、独自性があって興味はつきない。現代作家としての、美濃陶の伝統に対する作者なりの、ひとつの解釈が示されているかのような発表だと思った。
上左●時折、30~40歳代の男性ファンも会場を訪れ、熱心に茶碗を鑑賞していた。 上右●今回のような発表は「そう度々できるようなものじゃない」という作者。


■横浜展=およそ30点の出品。発表価格は呼継茶碗が1,260,000円~840,000円、呼継大壺が3,150,000円だった。

東京展のテーマは黄瀬戸。茶碗をメインにおよそ50点ほどの出品だった。
発表価格は黄瀬戸茶碗が1,260,000円~840,000円、黄瀬戸大鉢が2,625,000円ほど。
土や釉などの素材、造形、絵付、焼成、すべてがバランスよくまとまっている。