
0072号
2012年01月26日更新
すべて薪窯で焼かれた器の展覧会を見た。
南蛮焼締め、粉引などに定評のある笠間の陶芸家・小山義則氏。会場の宙では4度目となる今展は、前回(2005年)も注目を引いていた白瓷を中心に、お得意の焼締め、粉引、鉄釉などの、皿鉢類、花器、茶器、土鍋、すり鉢など、多彩な器がズラリと並んだ。価格もとても良心的なので、この時代にすべて薪で......と驚いて聞くと、「作る方が勝手に焼いてるだけですから」と笑顔で頓着しない。とにかく焼締めがやりたくてこの道に入り伊賀・丸柱で修業したという作者にとって、薪で器を焼くのはごく自然なことのようだ。
「火前のものは少し焼き過ぎました」という白瓷は、前回と焼き上がりが違って少し黄がかったり窯変が出ているものもある。「本来は白磁らしく白い方がいいでしょうが器なので楽しんでもらえれば」と控えめだが、それらはとても新鮮に見えた。たとえば輪花鉢は、朴の花のよう。炎にあおられて縁に窯変と動きの出た様子は、散りゆく風情を思わせた。何も盛らずそのまま飾っても存在感を放つだろう。
やきものらしい率直さと作り手ならではのセンス、この両方が表れた作で満たされた会場。欲しい器はきっとここで見つかる、と自然に感じさせてくれた。
上左●「輪花鉢」4,200円。白瓷の透明感と窯変が不思議な魅力。上右●搬入されたのは総数500点。ダンボールにまとめ買いをするファンの姿も多々見られビックリした。