展覧会への招待

Exhibition previews & reviews

  • 2008年11月13日~2008年11月26日
  • 礒﨑真理子展
  • ギャラリーTAO (東京都渋谷区神宮前 TEL.03-3403-3021)

 ぽわりとした独特な雰囲気の陶の造形に、真っ赤な彩色が施された礒﨑真理子氏の鮮烈な、興味深い展覧会を見た。現在の活動の中心はイタリア・ミラノにあり、同地でも東京展と同じ傾向の作品による個展が併行して開催されていて、精力的だ。
 近年、大理石やファイバーグラスなど、素材を陶に限定しない、とくに屋外展示向けの大作作りにも仕事の範囲を拡げている。本展の素地に使用したのは、信楽土。1000度から1050度ほどの温度で焼成した後に、真っ赤なアクリル絵具にメディウムと砂を混ぜて彩色し、表面の質感が施されている。テラコッタ・ペイントとでもいう手法による制作だ。これらの作はもちろん陶の造形には違いないが、前回展(2005年 同会場)の作とは異なり、化粧土で装飾、焼成しなかったことに、作者の個性と成長の跡があるように感じた。結局、「私は形に関心があり、形を作りたいのだと思う」のを、冷静に、素直に推し進めた結果としての選択だったろうし、環境の変化も手伝っているだろう。これらのユニークな形と装飾が、今後、どういう方向に進むかは作者自身にも見通せないような気がする。それを今は、楽しみとして受け取りたいと思う。

左●鮮烈な印象の蓮の花床のようなオブジェ。発表価格は750,000円 右●なんとも不思議な形には、愛らしさも感じる。80,000円


ギャラリー内には作品が発する様々なエナジーが渦巻くようだった。
ピーマンという人が多いらしいが、どう見てもらっても構わないと作者。
音から連想したという、リボンを折り曲げたような形。
本展の出品作の制作はほとんど日本で行われた。作者・礒﨑真理子氏。