大震災後の笠間と益子を歩く

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  風薫る大型連休中、恒例の陶器市などが全国各地で開催され、賑わいをみせています。
有田(佐賀県)や美濃(岐阜県)など、西日本を中心にした各陶産地では、例年よりも多くの人出を数える産地もありなかなかの活況といいます。
    11-05-01 henshubu-mashiko1.jpgそんななか今年は、大堀相馬焼の「春の大せとまつり」(福島県・浪江町)は、産地の中心地が福島第一原発から10キロほどの立入禁止区域にあるため中止となり、また当初、震災の被害が大きく開催が危ぶまれていた笠間(茨城県)の「陶炎祭」、益子(栃木県)「春の陶器市」(写真2点とも 益子町内にて)は、期間をやや短縮するなどしてそれぞれ開かれ盛況でした。
  震度6強を記録した笠間、5強の揺れを観測した益子では、工房や販売店の製品が落ちて割れ、登窯やガス窯のレンガが崩れて多くが全半壊しました。笠間では製品の7割ほどが販売できなくなり、益子での損害総額は8億円ほどといいますから甚大です。かねてから交流のあった大堀相馬の作家が「陶炎祭」に参加して作品を発表したり、大堀と歴史的なつながりのある益子では、災害復興のステッカーを販売し、その収益金を浪江町に寄付、また陶芸を続けたい希望があれば受け入れるなど、組合や観光協会で支援に乗り出しています。
  11-05-01 henshubu-mashiko3.jpg広い地域で被害のあった今回の震災では、これらの産地  ばかりでなく、各地で個人活動する工芸家ら作者の多くも被害にあっています。
   日本の経済が低迷するのに歩調を合わせるように、工芸を芸術作品として収集するコレクターが漸減する一方で広がらず、日常使いの器に雰囲気を求めるファン人口も全体としては減少する昨今、制作者やマーケットに求められるのは厳しいことばかりが続きます。
  もとより粗製乱造は戒められるとしても、需給の関係で陶芸界でも作り手が淘汰される時代を迎えているとはいえ、文化としての日本の陶芸や歴史は支えなければならず、震災で被害を受けた作り手の再起と復興に、本誌でも精一杯の支援と協力は惜しまないつもりです。(も)2011/05/06

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