加藤孝造氏が「瀬戸黒」で人間国宝に認定

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 7月16日、文化審議会は、重要無形文化財保持者(人間国宝)に「瀬戸黒」の制作において高度な技術を持つ加藤孝造氏(1935-)(右写真)など、新たに5氏を認定するよう川端達夫文部科学相に答申しました。
10-07-20 henshuubu-kato.jpg 加藤氏は、5代加藤幸兵衛(1893-1982)と、志野・瀬戸黒の技術で人間国宝だった荒川豊蔵(1894-1985)に師事。桃山時代から伝わる技術、窯、釉や土作りなどを絶やすことなく継承させることを基本として、しかし制作においては、個性的で独自な作風を追求し、情感豊かな作品を作り続けてきました。
 今回の認定の対象となった瀬戸黒といえば、筒形の薄作り、高台が極端に低い作が桃山時代に作られた茶碗の典型的な作域ですが、加藤氏の作るものは、肉厚の、やや丸味を帯びたゆとりの感じられる独特な姿形をしています。それらが穴窯焼成による質感を伴った、漆黒の、気品ある瀬戸黒として焼き出されます。結果ばかりを先に求めるので

なく、そうした制作過程によってこそ生じるものを尊び、作品に活かそうとする創作姿勢は一貫しています。そんな、師ゆずりの自然体な創作と、加えて、美濃陶芸協会の会長などを歴任し、一方で私塾を主宰して後進の指導にあたるなど、美濃の陶芸界の発展に尽力したことも高く評価されての認定と思われます。今後の活躍が、ますます期待される陶芸家です。
 なお、その他の今回の人間国宝認定者は、「紋紗」の土屋順紀(岐阜県)、「友禅」の二塚長生(石川県)、「蒔絵」の中野孝一(石川県)、「鍛金」の玉川宣夫(新潟県)各氏です。(も)2010/07/20

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