
0072号
2012年01月26日更新
これまで集めてきたお気に入りの品々ばかりを並べ、自宅の居間でゆったりと鑑賞しているような、ふと、そんな心持ちにさせられる展示スペースを持つギャラリーで、「吉筋恵治作陶展」(下写真は作者)を見ました。もっともこのスペースは、常時開放しているわけでなく、特別な催しの際に、通常のギャラリーに付加するようにして使われている空間なのだとか。
それにしても、立ってやきものを鑑賞するという現在では当たり前なスタイルから、座り込んで、手にとってじっくりと作品を鑑賞できる場所は、あまり聞いたことがありません。当然、用途性の高いものならば、重さや触感は陶芸作品の評価の大切な要素となります。そういうことにも、自然と気づかせてくれます。そういえば、販売を目的とした場所でも、手にとって作品を持ち、確かめることを勧めるギャラリーもありますが、そのことを遠慮するように掲示が出されるところも、近頃では多くなりました。
さて吉筋氏の新作はといえば、穴窯を駆使し、焼締めにテーマを絞って取り組んでいる作者ですが、今回はそこに新たな趣向を加え、施釉ものの碗や鉢などの食器が発表されていました。これらの作のほとんどはガス窯を用いて焼かれていて、なかには1客1,000円代からのものも見つかり、とても良心的な価格設定でした。(M)2009/10/20
■吉筋恵治作陶展 ◎2009年10月17日(土)-10月25日(日) ◎ミリオンアートスペース(東京都目黒区八雲3-11-2) TEL.03-5731-8696